「 受けるより与える方が幸福と教えし君の果てなき憂鬱 」
■■■うちの母は アタシに
受けるより与える人生の方が幸せと
ほんの幼い頃から教えてきた
だけど 母の “ 与える ” は
この言葉の 本当の意味からズレていると思う
母の “ 与える ” は
例えば ある日 急な雨が降って
アタシが びしょ濡れになって帰ったとする
そしたら 多分 母は こんな風に言う
「 お母さんが 傘を持って行かせて あ・げ・な・か・っ・た・か・ら
濡れちゃったわねー ごめんねー 蒼チャン 許してねー 」
実際には 何も与えられておらず
有り難がる必要もないのに 奇妙な 与えられた感 と
責める気持ちが残って 実に不愉快だ
これは 例えだけれど 現実も似たり寄ったり
大人なのだから 雨が降るかどうかくらい
自分で判断しなきゃならないし
濡れてしまったからと言って 母のせいにはできない
だけど 父と弟は この オカアサン・マジックに
まんまと嵌り込んでいて 上手くいかないことがあると
何でもかんでも 母のせいにしている
そう し向けた母本人は
意外や それが不満なのだから始末が悪い
この前 弟は 母を “ ひとでなし ” と呼んでいた
アタシには それを否定できない
だって 母は あまりに不思議なヒトだから
「 母親を人でなしと呼ぶ弟に 違うと言えぬ姉 情けなや 」
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